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Interview : Fellow

 作家インタビューの第三回目は、劇団-風-の団長であるFellowさんにお話しを伺いました。
 今回もボリュームたっぷりでお届け致します。

 ※尚、このインタビューは9作目「錬金術師の夜明け」公開前に行っております。

○書き始めてどれくらい?

 ──書き始めてどれくらいになります?

  月日では覚えてないのですが、本に日本語フォントが書けるようになった日からです。
  導入される前日は興奮して眠れませんでした!


 ──マニアックな回答ですね(笑) 最初に書いたのも脚本ですか?

  えっと、新聞です。

  大和のBIG1ってデパートの新聞で、お店のチラシとイベント情報。
  あと、年末には1年の締めくくりで10大ニュースアンケートみたいのやってました。

  もう良く覚えてないですね(笑)


 ──ちなみに、UO暦ってどれくらいですか?

  120ヶ月になりました!

  そのうちアカウントをまともに使ってたのは、6割ぐらいかと。
  4割ぐらいはプチ引退。

  引退宣言したくせに戻ってくる奴なんで・・・。


 ──よく居ます。ちなみに、その間って他のところに浮気ですか?

  一回は浮気でしたね。後2回ぐらいは充電です。

 ──じゃぁ、脚本を書き出したのは風を始めてからですか?

  はい。

 ──1作目の「トリオコント」は名前の通りギャグでしたが、その後から結構歴史スペクタクルものが多く目立ってますよね。
 そういうのが好みなんですか?

  ギャグも楽しかったのですが、受けなかった時の寒さが厳しくて…。
  というのもあったんですが、5作目の「亡き友の教え」ぐらいまでは半々でやってたのです。

  で、4作目にやった作品が問題でした。
  「赤い巨塔」って作品なんですが、半端にギャグで半端に真面目な話でした。

  どっちつかずで、なんとも釈然としない雰囲気が劇団に残りました。


 ──実際お客さんの前でやってみて、あれ? なんか違うぞ……と。

  うちの劇はなんていうのかな……公演中はなぜかお客様静かなのですよ。
  ギャグであっても。

  最後には面白かったと言っていただけてはいたのですが、なんとも息苦しかったりと。


 ──例えば、漫才やったとして笑い声がない。だけど最後にお客さんは面白かったと言ってくれる……そんな感じですね。

  そうですね。

  なんとなくだけど、ギャグ路線には必ず何か劇団内で不満があったんですね。
  もちろん私もそうでした。

  劇団員の意見としては、4作目の「赤い巨頭」はよろしくなかった、と。
  ギャグなのかシリアスなのかはっきりしなくて、なんとも言えない不満があったようです。


 ──やり終えた後の爽快感が無かったわけですか。

  爽快感はあったような(笑)

  うーん、こういうと少しは伝わりやすいかも。
  シリアス路線には、何も不満がなかったんです!


 ──なるほど。じゃぁ、もう全部シリアス路線にしようと。

  6作つくって至った結論でした。

  6作目「聖フィニガン記念学園物語Part2」のギャグ路線は有終の美でしたね。
  なので、お客様にぼろが出る前に封印!


 ──いさぎが良いですね(笑) じゃぁ、脚本と小説を書く時と書き分けとかされてますか?

  いや、基本私が劇団始めてから書いた本は、全て始まりは台本です。
  台本を考えてて、舞台で表現できないけどそのままにしておきたくなかった物語が本になってます。


 ──海を舞台上で表現するのは確かに難しいですね。

  今でもあきらめたわけじゃないですが、厳しいなと思います。
  舞台の大道具は変えられますが風景は変えられませんので……。


 ──舞台転換とか小道具、大道具含めて、劇団員とかにアイディアとか貰ったりとかはしてます?

  もらいます!
  というか今は居ないのですが、専任の黒子がいた頃は一任してました。

  大筋は一人が考えて、皆で微調整しながら完成していくですね。


 ──監督をあえて不在にしているわけですね。

  なるほど! あんまり意識してませんでした(笑)

  意識してたのは、一人が面白いとか良いとか思っても駄目だよね、って考え方だけは皆でもってたつもりです。
  4人前後だけど、その全員が良いと思えば、間違いなく受け入れてもらえると確信しています!


 ──逆に、嫌だなと思いながらやるとどこかに必ずそういうのが出ますからね。

  うん、そうだね。


○劇団-風-に至るまで

 ──じゃぁ、その劇団を作ってみようかなってのはどういったキッカケ?

  ブリテインのキングシアターを発見した時かな。
  たぶんUO初めて1年以内です。


 ──UO初めて一年以内って、物凄い実が結ぶまで長かったですね。私だったら忘れてます。

  忘れてましたよ(笑)

 ──思い出したキッカケとかはありました?

  長くなりそうですが……。

 ──お願いします。

  1年目に劇団やったら面白いだろうなーって思いまして。
  実際、詩とか踊りやってる人に憧れましたからね。裸劇団フルモンティ、なんてのもあったし。
  3年目ぐらいまではずっと心の奥底で、あったら良いな程度でした。

  BIG1ってデパートで働くようになって、友達が一杯できてイベントの実行うけもったりするようになって。
  よーし! みんなやるぞー! って言ったら、店長によそでやってね却下喰らって挫折したのが3年4年ぐらいかな(苦笑)


 ──劇っぽいものをやろうとして、却下されたわけですね。

  ほかにやるべきこと一杯ありましたから。

  でも諦められなくて、メインだった大和でなく、出雲で劇をやりました。
  出雲で友達を作って、大和の友達に内緒でこそこそとやってました。


 ──じゃぁ、まったく一からって訳ですね。

  はい。

  で、出雲でテスト公演まではしたのですが、ブリテインの劇場使って。
  観客わずか数名(笑)

  何で数名だったかというと、当時は画面内に10名ぐらいいると声が聞こえなくなってしまったのです……。

  テスト公演後は、官職が悪かったせいもあったのか皆散り散りになってしまいました。
  その後、全員が集合することができなくなり終了しました。


 ──幻の公演だったわけですね。ちなみにその公演はどんな内容でした?

  台本はちょっと見つからないんですが、内容はギャグでした。
  オスタード部って学園の中の部活動なんですが、合宿で色々珍騒動が起きるような話だったです。

  正直、あの頃付き合わせてしまった方々には、申し訳ない内容の台本だったと思います。

  影でGMが覗いていたようですが、次はUOの歴史ものでお願いします、と突っ込みを入れられました。
  そのせいもあって劇団風は歴史物が多いのかも。


 ──UOの歴史上の人物が多いですよね、登場人物の中に。

  調べてみると、面白いストーリが一杯あるのに気づきました。
  そういった意味で出雲での失敗は大きかったです。

  その後は、BIG1ってデパートが大きな目標を達成して、私も燃え尽きたんですね。
  その頃の私は、デパート一筋でしたので……ちょっと出雲に浮気しましたが(苦笑)

  無責任にも、後のイベントはヨロピコとBIG1を辞めてUOを引退しようとしました。
  もう全てやりつくしたし、やめっぞーーー! って昔お世話になった場所とかを巡ってたのですよ。

  各地を回って名残惜しんでいたら、まったく知らない人に声をかけられました。
  図書館のオーナーさんで、私が昔書いたBIG1新聞を欲しいと言ってくれました。

  もうなんていうか、感動ものですよ。
  自分も忘れてたような活動の記録を持ち出して、欲しいなんて言ってくれて。
  色々話しているうちに、イベントの話とかしてたら、ふっと劇を思い出しちゃったんです。

  あっ、やり忘れてるのあるじゃんって。
  それが2003年の9月ぐらいです。……6年目になってましたね。


 ──そこから風を立ち上げる為に尽力していったわけですね。

  はい、そうです。


○台本作り

 ──なるほど。ちなみに台本ってUO本で書いてます?

  いえ、Wordでおこしてます。

 ──台本を読み合わせするときもテキストベースですか?

  とりあえずはHTMLにして、Web上で意見交換してます。
  あれこれ、わかりにくいよって色々言ってもらったりして。


 ──そこからもう意見貰うんですね。私は脚本出して、これでいくぞ、バーン! みたいなの想像してました(苦笑)

  いやー、意気込みはそうですよ。大体の台本は!
  たまに自信無いのもありますが……。

  大体、最初の台本は7~9割ぐらいですね。


 ──でも、修正を皆で出来るって良いですよね。逆に小説とかって、一人で校正までやりますからね。

  うん、小説は厳しいですね。

 ──台本も書くの難しくないですか? 動きとかも考えながらですよね。

  動きとあったのですが、台本の中にはほとんど書いてないです。
  誰が登場してとか、それぐらいです。


 ──そこも全て演者と相談しながら詰めていく感じですか。

  頭の中を会議で曝けだして作って行きますね。

  そんな中で、一杯伝わらないことあります。
  だから、皆が自分なりに動きを考えてやってくれると、あー、私のイメージと違うけどなんかこれの方が良いね。って感じで進むこともあります。

  大抵、写真とセリフのみの台本ぐらいしか用意してないですから。


 ──良いですね、そういうの。逆に小説とかは一人で完結するから、どうしても自分らしさが良い意味でも悪い意味でも抜けないんで、いつも苦労します。

  そういう時、感想って怖いけど、すごい役立つことありますよね。

 ──そうですね。自分で微妙だなと思った作品は大抵見抜かれますね。

  台本も同じですよ(笑)
  あわや、やり直しってなりかけたことも。


 ──それは怖い。結局手直しでOKだったんですよね?

  今度やる作品(錬金術師の夜明け)なのですが、話をしていたらどうも話の筋が見えないってことに行き着いて、必死こいて修正したつもりです。
  筋が見えない物語の割には、いい話だと思うのだけど……絶対一味足りないって状態に陥る気がします。


 ──もうそこまで言われると、どうなるんだろうとハラハラドキドキしてきました(笑)

  最近、素人ながらに台本書いてて思ったことは、書きたいラストシーンと伝えたい筋があるといける気がします。

 ──たぶん、私と同じような書き方だと思います。こう思い描いたラストシーンに向かってズババババっと書いてくような、そんな感じですよね。

  そそ。

  書いていったけど、筋がないじゃん! ってのが今回(錬金術師の夜明け)でした。
  お前何が言いたいんだよ、って。

  その前の2作品は、両方揃ってたんですけどね。
  二つ前なんかは、本当にUO辞めたつもりだったのに、劇やりたーいって気持ちになったので、自分でほっぽり出したのに劇団員達に呼びかけて、復活させてもらいました。

  劇団風は7作目の「王立動物園の思い出」で終わってしまう予定だったのですが、私の我侭で。疲れました、と(笑)
  8作目の「騎士の誓い~信じる道~」は、私の我侭でやりたい作品できたから、ちょっとみんなもう一度やろうよって。

  ……考えてみるとひどい話だ(苦笑)


 ──でも、書いてると波みたいなのありますよね。色々思い浮かぶ時があるかと思えば、まったく書く意欲さえもない時が。

  めちゃくちゃありますね。

 ──もう書く意欲が無くなった時は、結構素直に書かないほうですか?

  台本って話だと、次の舞台のことを考えないといけないので、ない頭を絞り書こうとします。
  が、もう私のネタ帳は限界という結論に至り、次の千秋楽で劇団華々しく解散させてもいい? と団員に相談してみたりする方です。

  9作目「フレンズ」の千秋楽はそんな話もありましたよ(笑)


 ──今ので、物凄いFellowさんが判ったような気がします。2作で波、終っちゃったんですね……。

  ええ(笑)

  自分の才能に釣りあわない、出来の良い台本だった気がします。
  トンビが鷹を生むのも2度目までなんだなー、と。


 ──書けないときは、誰かに台本を依頼するとかは無いんですか?

  時よりその質問をされるのですが、答えはノーです!

  劇団始めた頃は、選択肢としてあったのですが……。
  始めてみると、大変な思いして練習するのに、自分が本当にやりたいと思える台本じゃないとモチベーションが維持できない、と気づきました。

  本当にやってみたい、と思う脚本あるとは思うのです。
  でもせっかく書いてもらったものが、ちょっとでも物足りないからって、お断りするはめになるのは避けたいのです。

  だから、初めから自分が納得できるものでチャンレジします。


 ──じゃぁ、既に書かれている作品を読んでて、あ、これやってみたいって思った作品はあります?

  あったあった!
  この間、双月亭っていう酒場の本棚で見つけました。


 ──次々回作に向けて、その作者にコンタクトとってやってみようとかは?

  ちょっとだけ思います。
  良いとは思ったのですが、あれこれ自分なりに直したいところがあって、どうしても失礼なことになりそうで……。



○最後に

 ──そうですか……。さて、そろそろ最後の質問ってことでいいでしょうか!?

  えー、もっと喋らせろー(笑)

 ──(笑) UO内で本を書くことによって何かリアルだけでなく、良かった事ってありますか?

  私リアルではこれでもかってぐらい理系な人間なのですが、UO本のおかげで自分にもこんな文系なこともできたんかなーと夢を見させてもらっています。

  本当に劇団なんかでは、お客様に感謝ですよー。
  こんな理系な奴が考えた台本でいいのかなーって……。


 ──起きて下さい、現実です(笑)

  (笑)

  国語が物語のよしあし決めるとは限らないですが、全国平均を確実に下げてる人なので、一文書くのにめちゃくちゃ苦労してますよ。
  だからUO本より台本の方が向いてるのかも。


 ──書いては消し、書いては消しって感じですか?

  書きたいことをずらーととりなえず並べてから、四苦八苦しながら文章にしていきますよ。

  小説だと台詞だけじゃなくて、風景とか表情とかまで文章なのはかなり苦痛です。
  劇だと動きとか大道具で体言できますからね!


──以上、ありがとうございました。


○インタビューをしてみて

 私が劇団-風-を知ったのは、行きつけの酒場の店主が劇団の役者になってようやくだった。
 それまで劇団という昔話の夢物語ぐらいに存在を疑っていた私にとって、それを目の当たりにした驚きと感動と興奮を今も忘れない。

 UOに実在する、或いは実在した人物を描くというのは、実際にはかなり難しいと思う。
 自分で生み出している訳ではないので、言葉遣い、性格、思考、その他すべてを調べ上げて構築する。
 親しい間柄であれば簡単なこの作業は、関係が遠くなればなるほど難しい作業となっていくはずだ。

 劇を先に観るか、小説を先に読むかは人それぞれだとは思うが、私個人としてはまず劇を生で観ることをお勧めしたい。
 ライブならではの独特の間など、その時にしか感じることが出来ない面白さを感じて欲しい。

                                           劇団-風-さんのHPはこちら
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by fayshess | 2008-08-20 20:41 | Interview